◆スピットファイアMk.Xb “trop” 1/48 ハセガワ
スピットファイアは第二次世界大戦中に第一線で活躍したイギリスを代表する戦闘機です。このMk.Xbは主に北アフリカ、地中海、中東地域での展開を考えトロピカル仕様として生産されました。特徴はエアインテークを前方に延長して防塵フィルターを装備し、砂塵からエンジンを守る対策が施されています。
飛行機モデルは胴体、翼(主翼・尾翼)、キャノピー、プロペラ、車輪(主輪・尾輪)に大きく分類されます。まず始めにパーツをランナーから切り離して切断面をペーパー(400番位の粗目)がけしてきれいにしておきましょう。次にコクピットと機体内部を塗装して組み上げてしまいましょう。塗料はMr.カラーのラッカー系を使用。好みによってエナメル塗料で墨入れやドライブラシなどウェザリングしてあげるとよりリアルに仕上がります。
胴体や主翼、尾翼などを接着する前に一度仮組みをしてみて隙間や段差があればあらかじめプラ材などを使って処理しておくとよいでしょう。プロペラなどの備品もあらかじめ合わせて段差などのズレがないか確認しておきましょう。
胴体、主翼を接着します。整形時にパテを使わなくて済むのでこの時に接着面からプラスティックが溶けてはみ出るくらいに接着してあげるとよいでしょう。同時にマスキングテープとマスキングゾルでガラス部分を覆いキャノピーの窓枠部分を機体内部色で塗装しておきます。
接着時にはみ出た部分をカッターなどで削ぎとります。それからペーパー(400番位の粗め)で接合面をきれいに整えてあげます。隙間がある場合は溶きパテや光硬化パテなどで埋めておいて乾いたら再度ペーパーで整えてあげます。また、消えてしまったモールドやラインなど彫りなおしてあげます。この時点でキャノピーは機体に接着もしくは木工用ボンドなどで仮固定しておくとよいでしょう。
下地処理が済みましたらサーフェイサーの喰いつきをよくするために全体的にペーパー(1000番位の中目)をかけて磨いてあげるとよいでしょう。それから全体にサーフェイサーを吹き付けて行きます。この時に車輪やプロペラなどの細かいパーツにもサーフェイサーを吹き付けておきましょう。
今回は国籍マークを塗装で表現してみました。サークルカッターで真円を切り出し、中心の色から順々に塗装して行きます。塗装した国籍マークと主翼の識別帯をマスキングテープで覆い、もう一度全体にサーフェイサーを塗布して本塗装しやすくしておきます。本塗装は下面、上面の順に塗装して行きます。好みでパネルラインに沿って暗めの色(この場合は黒)でシャドーを吹き付けておくとより見栄えがよくなるので是非挑戦してみて下さい。迷彩の塗装法は色々ありますが今回は非乾性のパテ(ホームセンターなどで売っている)とマスキングゾルの併用で行ってみました。同時にプロペラや主輪、尾輪など細かい備品なども塗装しておきましょう。塗装が済んだら国籍マークや識別帯のマスキングを剥がして塗り損じやはみ出した箇所を筆塗りでリタッチ修正してあげます。機銃の砲身や細部の塗装も同時にしておくとよいでしょう。
リタッチ修正後、デカールを貼り付ける箇所にマークセッターを塗布し識別番号や指示記号などのデカールシールを貼り付けます。この時に凹凸面やモールドにかかる部分はめん棒などで十分に気泡を除いておくようにしましょう。その後マークソフターを塗布します。(この時デカールが収縮してくるが乾けば元に戻り定着するのでそのまま触らずに放置しておきます。)また、アンテナ支柱や機銃などの備品パーツをこの時点で接着しておきましょう。
デカールが完全に乾いたら全体に半光沢のクリアーを吹き付け、デカールシールが剥がれないように保護してあげましょう。この時、一気に吹きすぎると乾燥後にデカールにひび割れが生じる恐れがあるので薄く何回かにわけて吹き付けてあげるとよいでしょう。(最初は遠めに砂吹きしてあげてデカールをいためないように吹き付けてあげます。)ある程度乾いたら2,3回目からは滴るくらいに吹き付けてゆくときれいに仕上がります。
クリアーが完全に乾いたらキャノピーのマスキングを剥がします。この時塗り損じやはみ出た箇所は筆でリタッチ修正してあげましょう。ウォッシング方法は機体全体にエナメル塗料のフラットブラックをエナメル溶剤で薄く溶いたものを平筆でまんべんなく塗ってあげ、即座にティッシュペーパーやめん棒などを使って機体表面をきれいに拭ってあげます。(この時モールドにのこった墨まで拭ってしまわないように注意しましょう。)
翼端灯の塗装はまずマスキングテープで周囲に塗料がはみ出ないように養生してからラッカー塗料のシルバーで下地を筆塗りし、乾いた後にエナメル塗料で左右(クリアーレッド、クリアーブルー)に塗ってあげます。ドライブラシは好みの色のエナメル塗料で凸部分にしてあげます。(ドライブラシ方法は毛先の短い筆に塗料を少量とり、かすれるくらいまで紙にこすりつけて塗料をある程度おとしてあげてから行います。)機体の仕上げは季節や状況、時代などに応じて様々な仕上げを施してあげるとよいかもしれません。この場合は砂漠仕様の機体なので砂ぼこりで汚れた感じをパステルで表現してみました。あまり上手なガイドにはなりませんでしたが、皆さんもベストな方法を見つけて是非チャレンジしてみて下さい。