制 作 ガ イ ド

Production guide


Vol.2 戦 車

Battle tank

イギリス戦車M3グラントMk.T 1/35 タミヤ

アメリカのM3リー中戦車を改造して作られたのがイギリスのM3グラント中戦車です。1942年、北アフリカ戦線でロンメル将軍率いるドイツ・アフリカ軍団の猛攻からイギリス軍を救いエジプト最後の希望と言われました。


Step1 パーツ構成

Part composition


戦車モデルは車体(上部・下部)、砲塔(砲身・砲盾)、ホイル(転輪・ドライブスプロケット)、キャタピラのパーツに大きく分類されます。まず始めにパーツをランナーから切り離して切断面をペーパー(400番位の粗目)がけしてきれいにしておきます。


Step 2 仮 組 み

Temporary work


ボディフェンダーや車体後方部、砲塔などの分割されているパーツで接着できる部分は接着しておくと良いでしょう。また、一度仮組みをしてみて段差や隙間などが無いか確認しておきましょう。なお、キャタピラの装着は制作工程の一番最後に行いますので以降は装着されてないものと考えてください。


Step 3 接 着 / 組 立 て

Bonding and Assembly


転輪、ドライブスプロケット、リヤパネル、砲身などをそれぞれに接着して組み立てます。組み立てたら車体上部と車体下部を合わせてみてフェンダー部分などに隙間が無いか確認しておきましょう。隙間があるようでしたらプラ材などを使って埋めておきましょう。この場合は、フロントのフェンダー部分と車体下部との間に若干の隙間があったのでプラ材で隙間を埋めました。また、車体にライトカバーやハッチ、後方部分の細かいパーツなどを接着しておきます。


Step 4 整 形 / 下 地 処 理

Plastic operation and groundwork processing


整形ですが、この場合75mm砲の外装と車体との間に隙間があったので角のプラ棒を加工して挿みこみ、隙間を埋めて整形しました。下地処理は車体各部の接着面や段差などをペーパー(400番位)をかけて処理しておきます。


Step 5 サ ー フ ェ イ サ ー

Surfacer


各部分ごとにサーフェーサー(この場合はクレオスのベースホワイト)を吹き付けておきます。この段階でキズや接着跡などがあればヤスリがけやパテ修正などの処理をしておきましょう。サーフェイサーは細かなキズやヤスリ残しなどの下地処理が十分でない部分を確認できるので塗装前には吹き付けておくことをお勧めします。


Step 6 塗 装 (下 塗 り 、迷 彩 、 ア ク セ サ リ ー)

Painting




車体の基本色を塗装します。この場合はタミヤのデザートイエロー(XF-59)を全体に塗装します。次に迷彩塗装ですが、まず迷彩の境界ラインを鉛筆などで下書きしておきましょう。その後面相筆などの細筆でデザートイエロー+レッドブラウン、レッドブラウン(XF-64)でそれぞれのラインに沿って縁取りをして行きます。それからエアブラシを細吹きにしてそのライン内側を各々の色で塗りつぶすような感じで塗装して行きます。転輪部分の外輪はフラットブラック(XF-1)で筆で大まかに塗っておきます。また同時にアクセサリー類やフィギュアなども塗装しておきましょう。


Step 7 デ カ ー ル

Decal


車体の塗装が終わりましたらデカールシール(水に漬けてもどすシール)を貼ってゆきます。まずマークセッター(シールを定着させる液体)を車体のシールを貼る箇所に塗り、シールを貼って行きます。この場合アフリカ戦線で活躍した第7機甲師団のマークである「砂漠のネズミ」のマーキングを使用しました。スコードロンサインや車体番号なども好きな番号を貼るとよいでしょう。綿棒を使って少しずつずらしながら位置決めをして行くとよいでしょう。


Step 8 ト ッ プ コ ー ト

Topcoat


デカールシールが完全に乾きましたらトップコートをします。トップコートはラッカー系のアクリル塗料のクリヤーを使用します。まず全体的に薄く吹きつけ、デカールシールが剥がれないように保護します。ある程度乾いたら全体的に多めに吹き付けてゆきます。一般的に戦車などの軍用車両はクリヤーのつや消しでトップコートを行いますが、この場合のクリヤーは半光沢につや消しを少々足したものを吹き付けました。トップコートは同時にウェザリング(汚し表現)をしやすくするために行います。


Step 9 ウ ォ ッ シ ン グ

Washing


ウォッシングはエナメル塗料を使って汚れの表現を行います。この前のステップでラッカー系のアクリル塗料でトップコートをしているのでエナメル溶剤でいくら拭き取っても下地が侵されることはありません。ですから失敗しても何度も繰り返し行うことが出来ますので思い切ってやってみましょう。ここではウォッシングで車体の汚れを表現してみました。ウォッシングはエナメル塗料(フラットブラックなど)をエナメル溶剤でさらさらの状態にうすめて平筆で全体的にざっと塗りつけます。その後直ちにティシュぺーパーや綿棒などで拭き取ります。この時モールド部分や凹凸部分が強調される位に拭き取るのがよいでしょう。


Step 10 仕 上 げ

Finish


仕上げはドライブラシとウェザリングパウダーで砂漠の砂汚れを表現してみました。ドライブラシは毛先の短い筆にエナメル塗料(レッドブラウンなど)を少量付け一度紙などにこすりつけて塗料がかすれるくらいにしておきます。その状態で車体の角やエッジの部分をなでるように筆を動かしてこすりつけて行きます。凹凸部分を強調するようにこすりつけて行くとよいでしょう。また、好みでウェザリングパウダーなどで仕上げを行うのもよいでしょう。筆にパウダーを適量とって全体にまんべんなくまぶして行くだけでOKです。ここでは「サンド」で砂漠の砂汚れの表現してみました。以上、お粗末なガイドで申し訳ありませんが皆さんもその時代や状況を思い描きながら色々な表現方法を挑戦してみて下さい。